『新幹線大爆破』

新幹線大爆破』(佐藤純弥監督、1975年)

倒産した町工場の社長(高倉健)、学生運動の元活動家で内ゲバを機に運動を離れた職工(山本圭)、集団就職で沖縄から上京して職を転々として町工場で拾われた若者(織田あきら)の3人が新幹線に爆弾をしかけた恐喝を計画。首尾よくカネを手に入れたならば、織田あきらはハーレーのオートバイを購入して世界旅行をしたいと言い、山本圭はもう一度人間を信頼するために革命をやり直したいと言う。工場が倒産して妻子にも逃げられた高倉健はブラジルにでも飛びたいなと言う。時速80kmより減速すると爆発するダイナマイトが仕掛けられた新幹線が走り続けるなか、緻密に練られたはずの計画はすこしずつずれていく。適宜、高倉健の回想シーンが入り、見田宗介の論文「まなざしの地獄」や中上健次の小説『十九歳の地図』を思わせる社会描写が事件の背景を構成する。北九州の工業地帯に入る前に田園地帯での爆破を迫る政府、犯人逮捕を優先する警察官僚の論理も描かれる。つなぎの高倉健、革ジャンの高倉健、ライトグレーの背広の高倉健、どれもかっこいい。

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