『新幹線大爆破』(承前)

新幹線大爆破』でよかったのは、破産した零細自営業種、元インテリゲンチャ活動家、復帰直後の沖縄出身のルンペンプロレタリアートという、異なる階級的出自をもちながらも高度経済成長からの構造的脱落者どうしとして出会い共謀してしまう点であった。また、新幹線システムのコンピュータ制御による疎外された労働を現場でかみしめる千葉真一と、労働から疎外された指令塔としての宇津井健のやりとりも味わい深い。