年末タクシー

年末の忘年会シーズンの話。毎日のように忘年会がつづく。フォーマルな忘年会、愚痴をいいあうインフォーマルな忘年会、陰謀をめぐらせる秘密の忘年会、若者につきあう忘年会、その他いろいろ。終電を逃せば、タクシーに乗って川を越えて帰宅する。午前2時頃のタクシー。「景気はどうですか?」「さっぱりですわ」「アベノミクスで景気が上向きとかいわれてますけど…」「景気がよくなっても私らのところまでまわってくるんはいちばん最後ですわ」ぼやぼや適当な話をあれこれしているうちにふと、「私も集団就職でね。出身は東北ですわ」と運転手さん。「へー、東北出身の方で関西に来られる方は珍しいですよね」「最初は東京へ行きましたよ。それからこっちに」「東北はどちらですか?」「福島です」「原発の事故で大変ですね」「もう帰られしません」「あ、じゃあ原発の近くの…」「そうです」と。思いがけぬところで遭遇する原発事故の災害。東日本と西日本の距離感で関西では日常的に忘却されている感じもあるけど、災害はまだつづいているし、継続して苦しまれている。まだ何も終わっていない。